みなさんアンズは好きでしょうか?

スーパーでアプリコットジャムとして売られていることが多く、加工された状態で目にすることがアンズですが、実は皮つきのまま食べることができる品種があることをご存知でしょうか?

そこで今回は生の状態のまま食べられる品種、ハーコットについて紹介します。

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ハーコットとは

教師の画像
アンズの品種は大きく分けて東亜系と欧州系の2種類に分類されており、ハーコットとはカナダで作られた欧州系のアンズの一種です。

生食用に品種改良されたもので、交配品種はモールデン604とNJAIです。アンズの中でも特に人気の品種です。

1979年(昭和54年)に日本に伝わりました。欧州系アンズの種類は他にもゴールドコット、プリンというものがあります。

アンズの原産地は中央アジアからヒマラヤ西北部、中国東部だといわれており、シルクロードを通じてヨーロッパに伝わった品種は甘く改良され、後に欧州系、または西洋系と呼ばれるようになりました。

そして東亜系、または東洋系と呼ばれる中国で育った品種は、梅などとの交雑した痕跡がある為、比較的酸味が強いものが多いようです。

その為欧州系の品種であるハーコットは酸味よりも甘さが立ち、生食に特化しています。

ハーコットの色は橙色に赤みがさす色で、大きさは1個80~100gとアンズの中では大きいサイズです。

果実の形は円形なものから少し縦長に扁平しています。枇杷に似た色と形です。ゴールドコットと比べると品種の違いが一目瞭然です。

同じ欧州系の品種のゴールドコットは果肉が裂けにくく病気に強い為家庭でも育てやすいとされていますが、ハーコットには雨に弱くカビが生えやすいという弱点があります。

何故カビが生えやすいかというと、ハーコットは完熟状態が進むにつれて種の周囲の果肉が離れていきます。

そうした果肉の中に雨水が入ると、種の周囲にカビが生えやすくなってしまうのです。その為家庭での栽培どころか農園での栽培も難しいとされています。

ハーコットの味などの特徴は?


日本の在来種と比べると、酸味が穏やかでとても甘く生で食べることに適した品種とされています。糖度に換算すると15%、なんと桃と同じくらいの甘さです。

他の欧州系であるゴールドコットも甘いとされていますが、それよりも甘い品種です。また皮が手で剥けてしまうほど果肉は分厚くねっとりとした食感で柔らかいです。

また香りは桃のようなとてもフルーティーさがあります。

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ハーコットの旬の時期は?


主な産地は長野県千曲市で、収穫は7月初旬~中旬頃までです。そしてその1週間~10日間ほどの限られた期間しか市場に出回りません。

また果肉が柔らかく痛みやすい為、日持ちしません。産地での消費以外は高級フルーツとして首都圏では百貨店などの限られた場所でしか手に入れることができません。

希少なアンズの為、売られているのを見たときには是非とも購入したいですね。

ハーコットってどうやって食べるのがおすすめ?

ポイント
アンズといえばドライフルーツや果実酒、シロップ漬けやジャムにすることが多いですが、このハーコットはそのまま食べることを農家の方もおすすめしています。

収穫時期が7月と暑い季節の為、冷蔵庫で冷やして桃のように皮を剥いて食べると、分厚く柔らかい果肉にたっぷりと含まれる果汁が口の中に広がり幸せなひと時を過ごせます。

日持ちしない為購入したらすぐに召し上がってください。よく熟した状態で召し上がりたい方は、常温で半日から長くても数日置いておくと追熟させることができます。

目安の例としてアンズの色が濃くなることや、香りが強くなることが挙がります。

最後に

1年のうちで1週間ほどしか、それも限られた場所でしか出回らない希少なアンズであるハーコット。

アンズの貴公子とも異名を持ちますが、味の素晴らしさや育成方法の難しさからそう呼ばれるのも納得がいきます。

また宮内庁にもお届けしたことがあるようです。是非冷やして食べてみたいですね。もちろんジャムやコンポートにして食べてもおいしいですよ。

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