アンズには品種にも様々な種類があり、その中でも比較的大きいサイズまで成長する品種の信州大実。名前に大きい実、とつくことから、大きいことは想像できますね。

実はこの信州大実、DNAが分かっていません。アンズの果実はそこまで成長しないながらも、何故大きい果実を持つ品種が生まれたのかは謎のままです。

そこで今回は不思議なアンズである信州大実について紹介します。

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目次

信州大実とは

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信州大実は1980年(昭和55年)に長野県にて登録された東洋系のアンズの品種です。

この信州大実、のように「地名」と「大実」を組み合わせた名前を持つ品種は他にもあります。新潟大実などが代表例です。ところで東洋系とは何か?

アンズは大まかにいうと東洋系と西洋系2種類があり、そこから枝分かれするようにさまざまな品種があります。

アンズの原産地は中国やアジア北西部といわれ、もともとは甘酸っぱい果物でした。

そのアンズがヨーロッパに伝わり、甘く改良されてできた品種を西洋系と呼び、中国で育った酸味の強い品種を東洋系と呼ぶようになりました。

中国ではアンズの種の中にある仁という部分を昔から漢方の材料としても使っていた為、甘くしなくても人々からは需要がありました。

信州大実の色は淡い黄色から橙色、そして朱色へのグラデーションが綺麗です。大きさは1個80g~100g前後と他のアンズと比べると大きいサイズで、形はころんとした綺麗な丸型をしています。

実が裂けてしまうことも少ない為育てやすい部類に入ります。

実は交配種は不明だったりする?


信州大実は長野県果樹試験場において「アーリーオレンジ(ヨーロッパのアンズ)」と「新潟大実」という2つの品種を掛け合わせて生まれた品種だとされていました。

しかし近年のDNA検査の結果によりこれは誤りではないかという説もあります。

信州大実の味などの特徴は?


橙がかった淡い黄色の厚い果肉を持っています。果肉のきめ細かい繊維が感じられ、大粒なこともあり食べ応えは抜群です。

渋みや苦味などといったえぐみを感じることはなく、酸味はあまり感じません。完熟するにつれて甘すぎないプラムのような香りが強くなっていきます。

糖度は10%~11%と、アンズの東洋種である信山丸と同じ程度の甘さです。イチゴと同じくらいです。

西洋種で希少かつ人気のある品種ハーコットに比べると弱めですが、こちらも完熟するとパパイヤのようなねっとりとした食感を楽しむことができます。

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信州大実の旬の時期は?主にどこで生産されている?

考える女性
アンズの品種にしては熟すのが遅く、7月中旬から完熟期を迎えます。

主に長野県で栽培されるものが有名です。アンズの中でもやや日持ちしやすい部類に入ります。

信州大実ってどうやって食べるのがおすすめ?

ポイント
厚くて食べ応え抜群ということは、果汁をたっぷりと含んでいるということです。そしてその果汁はイチゴと同じくらいの甘酸っぱさです。

つまり信州大実も生で食べることができる品種です。

また実が若干繊維質の為加工にも向いており、シロップ漬けやジャムに向いています。

その中でも果実を二つに割って作るシロップ漬けは、ただおいしいだけではありません。漬けることにより果肉が鮮やかな橙色に仕上がります。

また実崩れしにくい為、シロップには透明感があり見栄えもいいです。

お店では瓶に詰められたシロップ漬けがたくさん並んでおり、人気の強さが伺えます。

最後に

肉厚の果肉と絶妙な甘酸っぱさを持ち、まんまると大きくインパクトがある見た目の信州大実。

甘酸っぱい香りが移ったシロップとともに頬張ってみたいです。

そしていつの日か親となった品種が解明されることを願っています。

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