カニステルという果物を聞いたことがありますか?とても珍しく、あまりなじみのない果物なのでほとんどの方が知らないのではないでしょうか。

そんなカニステルはどこで栽培されているのでしょうか?あまりなじみがないということは味も奇抜だったりするのでしょうか?

謎の果物、カニステルについてご紹介します。

カニステルってどんな果物?

教師
カニステルとは、学名:Pouteria campechianaと呼ばれるアカテツ科、常緑樹の果実です。

10mほどに成長する小高木に緑白色の花を咲かせ、7cmほどの長さでオレンジ~黄色の果実をつけます。

原産地はメキシコから中央アメリカで、ブラジルや台湾、ベトナムでも栽培されています。日本では沖縄県で栽培・生産されています。

他の果物に比べて味の振れ幅が広く、当たりはずれのある果実としても知られています。

追熟が必要なことや、そもそも美味しい果実にあたる確率が低いのも馴染みのないフルーツたるゆえんです。

カニステルという名前の由来はあるの?


種小名(compechiana)はカニステルの発見の地であるカンペチェにちなんでいます。

また、果実の形が独特なことから「散弾の弾体」(canister)の語源からカニステルと呼ばれるようになったという説もあります。

日本は沖縄においては、カニステルという名前は近年まで栽培しても売り物にならなかったことから「蟹捨てる」、「金捨てる」などといったダジャレで揶揄されていたこともあります。

ちなみに味はどんな感じなの?


カニステルの味はなかなか独特で、一般的なフルーツにある芳香、ジューシーさ、酸味は無く、水分もほとんどありません。

そのため食べると口の中の水分を奪われてしまい喉が渇きます。

一方で甘みが強く、カボチャやスイートポテトのようなねっとりとした食感が特徴的です。

スプーンですくって食べると皮のギリギリまで食べられるので余すところなく味わうことができます。

甘みは強いのですがクセらしいクセはないので甘味料として料理に使ったり、アイスクリームに混ぜて食べることもあります。

カニステル、実は別名がある?

考える女性
カニステルの別名は「エッグフルーツ」と呼ばれ、和名では「クダモノタマゴ」と面呼ばれています。その由来については諸説あります。

一つ目はカニステルの果実の見た目です。鮮やかな黄色に独特の形はまるで卵の黄身のようにも見えるところから卵の異名をとっているんだとか。

また、二つ目は味です。カニステルの果実は粉質で水分が少なく、固ゆで卵の黄身のようなほくほくした食感をしていることから卵が連想されたようです。

カニステル!実は食べるのがとっても難しい?

ポイント
カニステルは食べごろの判別が難しい果物ですが、完熟にならないとはっきり言ってまずい果物です。

完熟状態の見分け方は表皮を見てまだら模様のしみが浮き上がってきたり、黄色い皮がオレンジ~茶色に変色してくる、あるいは皮が割れてはじけるような状態になれば完熟しています。

うまく完熟させるには時間をかけるか、早く完熟させる様々な方法を用いることが重要です。

とはいえもともとカニステルの果実は美味しい=あたりの果実が数個~数十個につき一個しかないといわれるくらい味にばらつきがあります。

そのため、うまく完熟させておいしいカニステルを味わうことはなかなか難しいようです。

まとめ

カニステルという非常に珍しい果実についてご紹介しました。

生産や栽培が限られているため希少性があるだけではなく、味についても食べてみないとわからないという少しスリルのある果物のようですね。

日本の沖縄でも一部の地域でしか販売をしていないようですので、興味を持った方はカニステルを取り扱う農家について調べてみるのもおすすめです。

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