メロウリッチという名前、聞いたことがありますか?なんだか高級な雰囲気のある名前ですが、西洋梨の一種なんです。

名前から想像すると、ものすごくお高いフルーツなのでは、と思ってしまいますよね。

そんなメロウリッチですが、意外な歴史や特徴があるんです。今回はそんなメロウリッチについて調べてみました。

メロウリッチとは?

教師
メロウリッチとはどんな西洋梨なんでしょうか?まずはメロウリッチが誕生した歴史を追ってみましょう。

1984年に山形県農業総合センター農業生産技術試験において西洋梨の品種である「ミクルマス・ネリス」×「ラ・フランス」を交配、そこでできた実生から選抜育成された西洋梨の品種です。

山形県で2007年に登録出願され、2009年に品種登録されました。西洋梨でありながら日本生まれであり、山形県のオリジナル品種です。

メロウリッチの味や形などの特徴は?


メロウリッチの果肉はとても柔らかく、熟すと糖度はなんと16~17度にもなります。

この糖度は西洋梨の品種の中でもトップクラスの糖度で、甘みが強いのが特徴的です。

さらに、甘みだけでなく酸味もあるので濃厚な味や香りが強い品種です。不正円錐の形をしていて、見た目はラ・フランスとよく似ています。

表面のさびが多く出てくるのもメロウリッチの特徴ですが、このさびは品質上特に問題はありません。大きさは270~290g程度のものが一般的です。

ラ・フランスとどう違うの?


交配種だけあってラ・フランスとはよく似ているメロウリッチですが、違う部分もあります。ラ・フランスが300gほどの大きさなのに対して、メロウリッチは少々小ぶりです。

味の面でもラ・フランスの糖度14度に比べてよりメロウリッチの方が甘みが強く、香りもメロウリッチの方が強く芳醇です。

また、メロウリッチの方がさびが多くみられ、農林水産省の品種登録データベースによると、ラ・フランスに比べてメロウリッチはがくあ(果実のお尻の部分のくぼみ)のさびの割合が極大で、果柄の長さが中であるとされています。

食べてみての食感は、ラ・フランスに比べてメロウリッチの方がわずかながら舌触りがざらつくこともあるようです。

メロウリッチの旬の時期と主な産地は?

考える女性
メロウリッチは山形県オリジナルの品種のため、山形県のみで栽培されています。主な生産地域は山上市、東根市、長井市など。

メロウリッチはラ・フランスより10日ほど早く収穫できる中生種で、9月の下旬ごろから収穫が始まります。収穫時期はそこから10月上旬までの短い期間です。

食べごろの旬の時期は、10月下旬から中旬までかかります。

メロウリッチの食べごろの見分け方は?

ポイント
メロウリッチは食べごろの見分け方がとても分かりやすい品種です。というのも、表面の変化が視覚的にはっきりしているからなんです。

メロウリッチが熟してくると、表皮が黄緑色から黄色に変化します。さらに柔らかさも増すので、触って確かめてみると確実です。

まとめ

西洋梨なのに日本生まれの品種というのは驚きですよね。さらに山形県のオリジナルということで、まさしく「日本の西洋梨」という感じがします。

また、山形県で作られてそのまま山形県限定で生産しているのも限定的でレアな感じがしますよね。その地域でのみ生産されていると聞くと、思わず食べてみたくなります。

でももしかして限定品ということは山形県まで行かないと食べられないのでしょうか?と心配になりますよね。

ご安心ください、メロウリッチ自体は通販や卸売りなどで市場に出回っていますので気になっている方はお買い求めいただけます。

追熟のサインもわかりやすく扱いやすい品種ですので、機会があればぜひお試しください。

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