西洋梨というと、西洋が原産の品種であると思われている方が多いと思います。

しかし近年では、日本でも西洋梨の品種が生まれています。

その中でも、「シルバーベル」という品種は、日本の山形県の試験場において、西洋梨の代表銘柄である「ラ・フランス」を用いて、育成された品種です。

そこで今回は、「シルバーベルという西洋梨の味などの特徴は?」についてお話したいと思います。

シルバーベルとは?


シルバーベルは、日本で生まれた品種です。

1957年に、山形県の園芸試験場において、「ラ・フランス」の自然交雑実生を選抜して育成された品種です。

「ラ・フランスの妹」とも呼ばれる西洋梨で、晩生種です。

名前の由来は?

教師
「シルバーベル」という名前は、何故付けられたのでしょうか?

まずは、シルバーベルを育成していた、鈴木寅雄氏の「鈴」。

そして、白銀の雪に覆われる時期に熟して旬を迎える上に、梨の形状がクリスマスベルの形に似ていることから、「シルバーベル」と名付けられたのです。

シルバーベルの味や形などの特徴は?


シルバーベルは、1つの果実の大きさが400~800g前後もあり、他の西洋梨と比べると大玉です。形は長細い形をしています。

果皮については、未熟なものは黄緑色をしており茶色い点々(果点)が見られます。その後完熟すると、全面が黄色になります。

シルバーベルの味の特徴は、強い甘味と共に、程よい酸味があることです。

また、果肉には果汁がたっぷり含まれていてジューシーで、とろけるような上品な口当たりで、芳醇な味わいと香りが口と鼻いっぱいに広がります。

果皮に見られる、点々やサビは、このシルバーベルの特徴なので気にする必要はありません。安心して食べられます。

しかし、果皮に傷ができてしまうと痛みが早くなるので、優しく取り扱うように注意しましょう。

ラ・フランスとどう違うの?

考える女性
シルバーベルは、「ラ・フランス」の自然交雑実生であり、「ラ・フランスの妹」とも呼ばれているので、違いはほとんどないように思われがちですが、実はいくつか違いがあります。

まずは見た目です。ラ・フランスに比べて、シルバーベルの方が大玉で、縦に細長い形をしています。

そして、ラ・フランスは追熟して熟しても、果皮の色は黄緑色のままですが、シルバーベルは、熟すと黄色に変色するので、食べごろの判断がしやすいです。

また、味に関しては、両方とも強い甘みがあるのは共通していますが、酸味はシルバーベルの方が強いです。

しかし、食感はよく似ていて、西洋梨特有のジューシーでやわらかいのが特徴です。

シルバーベルの旬の時期と主な産地は?

ポイント
シルバーベルは晩生種の西洋梨の為、収穫時期は、10月下旬から1月中旬です。

他の西洋梨と同様に、収穫後に追熟させる期間が必要なので、追熟させてから出荷が始まります。

その為、旬の時期は、12月上旬から1月下旬で、それに合わせて出荷されていきます。

また、シルバーベルの主な産地は、山形県で生まれたので、もちろん山形県です。シルバーベルの全生産量の70%以上を山形県が占めています。

その後に、秋田県、岩手県が続いていきます。

名前や旬の時期からクリスマスのデザートに最適?

教師の画像
これまでのお話のように、シルバーベルは、クリスマスを迎える時期に旬を迎えます。

また、シルバーベルの形状は、クリスマスベルのようでもあるために、クリスマスのデザートとして最適です。

近年では、山形県の「シルバーベル」を栽培している農家の中には、「クリスマスデザート」用のギフトとして、クリスマス時期に合わせて追熟させて出荷している農家もあります。

まとめ

今回は、「シルバーベルという西洋梨の味などの特徴は?」についてお話してきました。

シルバーベルは、日本で生まれた数少ない西洋梨の品種の1つで、西洋梨の代表である「ラ・フランス」の妹のような西洋梨です。

名前と形状と旬の時期だけでなく、甘さと酸味のバランスがよく香りも豊かなため、クリスマスデザートにおすすめの西洋梨です。

今年のクリスマスのデザートは、クリスマスケーキの代わりに、シルバーベルにしてみてはいかがですか?

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