いちごにはビタミンCがレモン果汁よりも多く含まれ、美容と健康にいい食べ物であることは有名です。いちごの中でもビタミンCを多く含んでいる品種があります。
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おいCベリーという品種について
「おいCベリー」は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発・育成し、2012(平成24)年に品種登録されました。
約1万本の中からビタミンCや糖含量の高いものを選抜できる開発技術を作り育成されました。ビタミンC含量が安定して高く、果実品質と収穫量に優れる促成栽培用品種を育成しようと様々な品種を交配育成されました。
そして、九州沖縄農業研究センターにおいて、「9505ー05」を母に、ビタミンC含量が高い「さちのか」を父として交配され「おいCベリー」が作られました。
名前の由来は、『ビタミンCを多く含むおいしいいちご』ということから「おいCベリー」と付けられました。
2007年「機能性表示食品」制度が始まり、消費者の健康維持増進への関心が高まりました。いちごにも100gあたり約60mgのビタミンCが含まれていて、生食として消費するためビタミンCの供給源となります。
そこで、いちごにおいてもビタミンCの高い有力品種の育成をし、生活習慣病の予防に役立つようにと開発されました。
おいCベリーといういちごの特徴は?
「おいCベリー」の最大の特徴はビタミンC 含量が「とよのか」「さちのか」に比べて優れていることです。
「おいCベリー」はビタミンCを100gあたり87mg含んでいます。「とよのか」54mg/100g、「さちのか」68mg,/100g(2006年~2008年)で「とよのか」の約1.6倍、「さちのか」の約1.3倍です。
総ポリフェノール含量も高く、高い抗酸化活性があるので、美容と健康のサポートが期待できます。
12月上旬~下旬のビタミンC が最も多く100gあたり140mgを超える値で、1月下旬までは100mgを超える高い含量が期待できます。「おいCベリー」7粒で1日分のビタミンCをとることができると言われています。
果実の大きさは「とよのか」より大きく平均で15.2gほど大粒のものは30g前後です。縦長の円錐形をしています。
果皮の色は濃い赤色をしていて「紅ほっぺ」や「章姫」よりも濃い色です。果実の光沢は強いです。果実の硬さはかなり硬いため、日持ち、輸送性に優れています。果肉・果心の色は赤色で、果実の空洞はないまたは小さいです。
「おいCベリー」の糖度は9.4度、酸度は0.67%です。「とよのか」は糖度8.5度で酸度0.63%、「さちのか」は糖度9.1度で酸度0.65%なので、「おいCベリー」は「とのよか」「さちの」に比べると糖度も酸度も高くなります。
「おいCベリー」は糖酸比にこだわって作られています。2010年は糖度10.3度で酸度0.66、糖酸比は15.6(長崎県)です。2011~2013年の平均では「おいCベリー」の糖度12.2で酸度0.83、糖酸比は14.8(岡山県)です。
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おいCベリーはどこ生まれのいちごでどこが主な生産地?旬の時期は?
主な生産地は、佐賀県や長崎県などの九州を中心に、四国・中国地方で栽培、岡山県などで先行栽培されています。
関東に出荷されていますが、市場出荷よりも観光いちご園で採用されていて、いちご狩りには欠かせない品種となっています。来
園者からの人気が高いいちごです。「おいCベリー」は長崎県のいちご品評会では高い評価を得ています。
静岡県の生産者は、フルーツギフト専門店(新宿)やフルーツパーラー(渋谷)などの高級果物店へ販売しています。
また、生食だけでなく加工の利用も進んでいて、山口県の観光いちご園ではジャムとして、福岡県の生産者はJA「伊都彩菜」では乾燥いちごとして販売をしています。
2013年の推定栽培面積は全国の促成栽培産地を中心として、約35haあり、年々普及面積が増えつつあります。
「おいCベリー」は輸送性が優れていていることや健康機能性をアピールポイントとして、長距離輸送を伴う海外輸出への取り組みが期待されています。
長崎県で生産している他のいちごは?
長崎県には「さちのか」「とよのか」「ゆめのか」があります。
九州以外でも千葉県、横浜、愛知県、三重県 大阪府、山口県、岡山県、愛媛県などで「おいCベリー」のいちご狩りができます。
観光いちご園でも手作りいちごジャムが試食、販売されているところもあります。
あとがき
「ビタミンC」を多く含み、美容と健康をサポートするいちご。おいしく食べて綺麗になるなんて何とも魅力的なものです。
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