いちご

栃木県の有名ないちご「とちおとめ」の後継品種であるとともに、高級いちごである「スカイベリー」。17年ぶりの最強いちごなのです。

そんな「スカイベリー」についてご紹介します。

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スカイベリーという品種について

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平成17年度、栃木県農場試験場いちご研究所において、大きい果実で外見に優れる「00-24-1」を母に、食味のいい「栃木20号」を父として交配されてできたのが品種名「栃木i27号」です。

平成26年に「栃木i27号」は品種登録されました。「スカイベリー」と「スカイベリー」のマークが商標登録されています。

「スカイベリー」の名前は全国から4388件の応募の中から決定されました。インパクトがあって覚えやすく、みんなに愛されてほしい名前で、『「大きさ、美しさ、おいしさ」の全てが大空に届くような素晴らしいいちご』という意味が込められています。

また、栃木県にある百名山のひとつ「皇海山(すかいさん)」にちなんでいます。

いちご大国栃木県が日本一を守る為に作られたスカイベリー

「スカイベリー」誕生背景には、栃木県が掲げる日本一の「いちごの王国」を守り抜くことにあります。

販売額日本一を福岡県に奪われてから「とちおとめ」が栽培されるようになり見事日本一に返り咲いたのですが、「とちおとめ」の育成者の権利が切れ、全国で栽培されるようになりました。

しかし福岡県の「あまおう」や佐賀県の「さがほのか」など大粒のいちごが開発され、「とちおとめ」よりも高価格で販売されるようになりました。

「とちおとめ」の見た目は「あまおう」に見劣りし、高級イチゴを扱う市場や販売店では栃木産の存在感が低下していたのです。

だから、他の品種に負けないくらいの大粒のいちご、多く収穫できるいちご、病気に強いいちごという絶対条件で品種開発されました。

その結果、スカイベリーは約900の組み合わせを交配し10万株以上の中から選抜され、17年かかって開発されました。

その間に、栃木県は「とちひとみ」「なつおとめ」などの12のいちごの新品種を生み出しましたが、そのどれもが「とちおとめ」に匹敵するいちごではありませんでした。

栃木県がスカイベリーにかかる期待。それは大きいものでしょう。

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スカイベリーといういちごの特徴は?

いちご狩りをする女性

「スカイベリー」は、とても見栄えが良く、大きい果実が特徴です。「とちおとめ」は3Lサイズは18%と少ないですが、「スカイベリー」は、25g(3L)以上の割合が6割を占めています。

「とちおとめ」より一回り大きいサイズで、500円玉が1円玉のように見える大きさです。50g超えるものもあります。大粒なので、ケーキやタルトに利用しても見栄えが良くなります。

「スカイベリー」の形は、綺麗な円錐型で、果実の色は濃橙赤で光沢があります。2011年ポット作型によると、「スカイベリー」の糖度は、9.2度、酸度は0.64%です。

一方で、「とちおとめ」の糖度は10.2度と「とちおとめ」の方が糖度は高いのですが、「とちおとめ」の酸度は0.72%と「スカイベリー」よりも酸度が高いため、糖酸比は「とちおとめ」と変わりません。

ですので、「スカイベリー」は「とちおとめ」と同等の甘みが感じられ、甘みと酸味のバランスがとれた味わいです。

また、酸味が穏やかなため、小さい子供でも食べられます。果皮・果肉は「とちおとめより」よりやや硬く、果肉は粘り気があるのでなめらかで、ジューシーです。

果皮・果肉が硬いため「とちおとめ」よりも日持ちします。そしていちごの独特な香りが強いです。果肉は橙赤色、果心部は淡い赤色をしています。中心の空洞は小さいです。

「スカイベリー」の導入は、「とちおとめ」よりも収穫量が多いため、農家経営の収益向上が期待されています。

スカイベリーはどこ生まれのいちごでどこが主な生産地?旬の時期は?

ポイント

主な生産地は栃木県です。県外での栽培が許可されていません。出荷は東京、横浜、仙台、盛岡の市場に限定しています。

市場を限定することによって、栃木周辺での知名度をあげ、地位を確立していくようです。栃木県経済流通課によると、29年度産(28年秋から29年春)の「スカイベリー」栽培面積は2年前と比べると倍増しました。

「スカイベリー」を後継品種として扱うのではなく、「とちおとめ」と共存させて展開していくとしています。

「とちおとめ」はいちごの需要の高い時期の主力品に、「スカイベリー」は高級贈答品という地位を確立させる方針です。

「スカイベリー」は12月ごろから店頭に並び、最盛期は2月から3月ごろで、4月下旬まで出回ります。

日本だけではなく、海外(輸出規制のない東南アジア)の輸出拡大を目指して、PR活動を行っています。「スカイベリー」は価格が高いため、富裕層が購入しています。

海外においても「スカイベリー」は評価の高いいちごのようです。

海外でもスカイベリーは認知されつつある

海外に輸出するに至って、海外のいちごに比べて日本のいちごは、傷みやすく日持ちしないのが特徴です。

そこで、宇都宮大学の教授は、某有名企業と手を組み、いちごの実に触れることなくいちごを収穫する自動収穫ロボットと、果実に触れないようにパッケージする包装容器「フレシェル」も開発しました。

ドーム状のふたがされている包装容器で、1粒(60g)しか入りません。フレシェルに「スカイベリー」を入れることで、完熟状態のいちごでも10日以上傷むことはなく、条件が良ければ1か月近く持ちます。

2015年には、フレシェルで包装した完熟の「スカイベリー」を国際味覚審査機構に出展したところ、2つ星、2016年には3つ星を獲得しました。

フレシェルに入った「スカイベリー」を東京都内の大手百貨店で販売すると、1個1728円なのにすぐに売り切れるほど、人気があります。

まだ、容器にコストがかかるため容器が普及し量産できれば容器の低価格化も期待できます。 

あとがき

1粒の値段が高くても、売り切れるくらい人気の高い「スカイベリー」です。いちごやタルトに使用しても大粒のいちごの存在感が大きくインパクトがあります。

出荷市場の限定をしているのでなかなか手に入りにくいのですが、一度は食べてみたいいちごです。

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