皆さんはカニステルという果物はご存知ですか?

カニステルは沖縄で栽培しているフルーツで独特な味覚を持っています。

そこでカニステルの食べ方やどんな栄養素を含んでいるかなど、カニステルをご紹介していきます。

カニステルってどんなフルーツ?


カニステルという名前を聞いたことがない方がほとんどではないでしょうか。

カニステルは日本では沖縄でしか栽培されていません。とにかく今までにない特徴を持ったフツーツと言えます。

まず食感ですが、独特なものでお芋やカボチャに似ています。

舌触りが卵の黄身のようなので別名「エッグフルーツ」や「クダモノタマゴ」とか呼ばれています。

カニステルはメキシコから中央アメリカが原産で他に、ブラジル、フィリピン、ベトナム、台湾などで栽培されています。

アカテツ科に属し、チューイングガムの材料のチクルを採るサポジラという木が仲間にあります。

カニステルはいわゆるトロピカルフルーツですが、トロピカルフルーツというとパパイヤやマンゴーなどを連想しますが、みずみずしい果汁や芳醇な香りは一切ありません。

果実の形は直径約5~10cmで細長いものからボールのようなものまであり、先端部は尖っていて、中にはアーモンド大くらいの種が2~数個入っています。

名前の由来は形が「大砲の散弾」(カニスタア)に似ているところからきています。

カニステルはマイナーなフルーツ?

黒板
カニステルは数十年前から販売されているのに、全く知られていません。

しかも栽培地である沖縄でも、どのスーパーにもあるというフルーツではないのです。

トロピカルフルーツでもアテモヤやミラクルフルーツといった後発果実の方が知られています。

それには理由があります。箇条書きで拾ってみると。

・食べると口の中の水分を吸収するため、喉が渇きます。

・完熟のものでないと、パサパサして食べられない。

・当たりの果実が数個に1つの割で味にバラつきがある。

以上の点で需要が少ない現状にあります。

近年まで栽培している台湾や沖縄の農家では市場に出回らない程のマイナーな果実で売り物にならなかったため、皮肉を込めて「カニ捨てる」とか「金捨てる」と呼ばれていました。

そんなカニステルですが昨今のヘルシーブームにより、たくさんの栄養素を含んでいることで注目され始めてきました。

どんな栄養素や効能があるのか、みていきましょう。

カニステルにはどんな栄養素があるの?また、その効能は?


カニステルは実に栄養価の高いフルーツです。

カニステルに含まれている栄養素とその効能を順を追って挙げてみますと

βカロチン

βカロチンは人参やカボチャに含まれていてよく知られている栄養素ですが、体内でビタミンAにかわり、皮膚や視力を保護してくれます。

また、がん細胞の増殖抑制にも働きます。

ナイアシン

あまり聞き慣れない栄養素ですが、ビタミンB3と呼ばれる水溶性のビタミンです。

ナイアシンは糖質、脂質、タンパク質の代謝に不可欠です。

皮膚や粘膜を保護してくれエネルギーをつくったり、神経症を防いでくれます。

不足すると皮膚炎や口内炎を発する可能性があります。

ビタミンC

ビタミンCはご存知の方も多いかと思いますが、風邪予防や疲労回復、肌荒れの防止といった効能があります。

ポリフェノール

カニステルに含まれてれているポリフェノールは赤ワインや黒ゴマの比ではなく、最大の効用は抗酸化作用です。

抗酸化作用とはコレステロールの酸化を抑制して活性酸素の働きを抑える働きで、病気、老化を助長します。

習慣生活病の9割が活性酸素によるもので、ポリフェノールは細胞の生成、活性化、分裂の働きを助けてくれる、正に救世主です。

炭水化物(糖質)

果物に炭水化物が含まれているのは大変珍しいですが、バナナと比べると100g当たりの炭水化物がバナナの22.5gなのに対し、カニステルは36.7g程もあります。

炭水化物を摂り過ぎると肥満や生活習慣病になりますが、不足すると疲れやすくなったり体力が低下したりします。

カニステルにはこのようにたくさんの効能があります。

カニステルをおいしく食べる方法や調理法をご紹介します

ポイント

カニステルの食べ方は?

カニステルの旬は1月から6月にかけてですが、メジャーなフルーツでないため旬の時期でもあまり出荷量は多くありません。

収穫されたカニステルはあまりおいしくありませんので、ある程度の期間、追熟させなければなりません。

購入する時は傷に注意が必要で、傷があると追熟していくうちに雑菌が繁殖する可能性があります。

食べ頃は、皮から艶が消えて少し茶色くなってきた頃で、触ってみて少し柔らかく感じるくらいです。

熟してくると表面が割れてくるので、それを目安にするといいでしょう。

こんなところも不思議な果実といえる所以ですね。

皮のすぐ近くまで食べられるので、触ってみて固いうちは果肉もまだ固い状態です。

食べ方は半分に切り、種を取り除きスプーンですくって食べます。皮を薄く残し、あとはすべて食べられます。

カニステルのおいしい調理法は

カニステルの舌触り、風味は蒸かしたサツマイモやカボチャをイメージしていただけたらいいかと思います。

従ってお芋やカボチャを使った料理には応用できます。
1.サラダに使う

お薦めなのはサラダで、野菜と共に添えるとツナやコーンとも相性がピッタリです。

また、クリームチーズと混ぜて、生ハムで巻くのも特徴が活かせます。

2.スープに使う

パンプキンスープの要領で玉ねぎ、牛乳やコンソメ等と合わせてスープにします。

3.菓子の材料として使う

クラッカーにサンドしてもいいですし、色々な菓子に利用できます。

タルトやクッキー、プリンなどに使うことができます。

中でもタルトに盛って焼けば、スイートポテトならぬ「スイートカニステル」になります。

カニステルの食べすぎには注意!

教師の画像
カニステルを召し上がるのに注意しなければならないことが一つあります。それはカニステルが高カロリーだということです。

食べ過ぎるようだと肥満や生活習慣病になる可能性があります。どんな食べ物にも言えることですが、食べ過ぎは禁物です。

カニステルは多くの炭水化物を含んでいますが、カロリーはサツマイモよりやや多いくらいです。

ごはんと比べると、ごはん一杯のカロリーは170kcalパンはそれ以上ありますが、カニステルの100gのカロリーは約138kcal(サツマイモは約130kcal)です。

日本人の平均カロリー必要摂取量は約2000kcalと言われていて、それからいくとカニステルを毎日食べるとして、せいぜい1個程(200~300g)ですね。

あとはごはんや他の食べ物で調整することになります。

まとめ

カニステルについてご紹介してまいりました。

カニステルは他のトロピカルフルーツと違ってみずみずしさや芳醇な香りはありません。

それがマイナーなフルーツとして広く知られていない原因かもしれません。

カニステルの特徴である、独特の味覚がクセになるおいしさ、美容にいい、新しい感覚のトロピカルフルーツとして楽しめる。

以上の点で最近では女性を中心に愛好者が増えつつあります。

昨今、沖縄に行かなくても通販で手に入れられます。

カニステルは多くの栄養素を含み、多岐にわたる効能がありますが、高カロリーゆえ食べ過ぎには注意しなければいけません。

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