みなさんは焼きみかんを知っていますか?みかんを皮ごとじっくり焼いて食べると、甘くておいしいというのを聞いたことがあります。

ところが、焼いてしまうとせっかくのビタミンCや新鮮な栄養が壊れてしまいそうですよね。

みかんを加熱することでメリットやデメリットがあるのでしょうか。

今回はみかんの加熱とビタミンについて調べました。

ビタミンは加熱するといいの?悪いの?


ビタミンCは単純に加熱すると壊れる、というわけではありません。酸素に触れると壊れやすく、この状態で加熱処理を行うと壊れてしまいます。

芋類に含まれるビタミンCはでんぷんに守られているため酸素への接触が少ないので加熱処理を行っても壊れにくくなっています。

ところが、ビタミンCを守る要素のない食物については、加熱することでビタミンCが壊れやすくなってしまいます。

つまり、加熱する=悪いではなく、ビタミンCを守る要素がないまま加熱するとビタミンCにとっては良くないということになります。

甘くなる?

みかんの酸っぱさの原因であるクエン酸は温めるとどんどん減っていくので、加熱すると甘みが強くなります。糖度でいうと、8.1から9.1まで上がるそうです。

加熱するとビタミンCは減るの?

ビタミンCは水溶性で水に溶けやすく、加熱にも弱いため熱を加えるとすぐに壊れてしまいそうなイメージがあります。

実際、果物や野菜のビタミンCは加熱によって壊れてしまうことが多く、ビタミンCの摂取は難しかったりします。

ところが、みかんの場合は皮や袋が熱からビタミンCを守ってくれるので皮ごと焼くことでビタミンCを壊れにくくすることができるんです。

加熱してもビタミンCを摂取できるなんて、嬉しいですよね。

みかんは焼きみかんにするとむしろ栄養が増えるって本当なの?


みかんにはもともと様々な栄養が含まれています。代表的なビタミンCは風邪の予防や美肌効果など、体の免疫を強化してくれる役割があります。

他にもへスぺリジンというポリフェノールの一種のあります。へスぺリジンは別名ビタミンPと呼ばれていて、血流改善やコラーゲンの合成を促す役割があります。

さらに注目したい栄養が、βクリプトキサンチンです。

なんとこのβクリプトキサンチンは発がん抑制効果が高く、糖尿病やメタボリックシンドローム、骨粗しょう症などの生活習慣病の抑制にも効果があります。

みかんの皮には「リモネン」というリラックス効果や脂肪燃焼効果があるという嬉しい栄養なんです。

みかんの皮は漢方では「陳皮」と呼ばれる種類で、コレステロールを下げる、胃腸の調子を整える、せきやたんを抑えるなどの効果があります。

これらの栄養について、「体を温める」と効果が上がるため、冷たいまま食べるよりも加熱して食べた方が体への働きがよりよくなるんだそうです。

また、焼いて食べることで薄皮やみかんの表皮など普段は取り除いてしまいがちな部分も食べやすくなり、よりみかんの栄養を多く摂取することができます。

みかんの皮ごと食べる場合は、表面のワックスを良く洗い流すか無農薬のものを選ぶのがおすすめです。

実は蜜柑の缶詰って加熱処理していたって本当?

考える女性
日本の缶詰食品は加熱殺菌処理を行っていて、果物の缶詰も例外ではありません。

保存料や防腐剤を入れないために、空気や細菌が入らないように缶詰を密閉して加熱処理を行っているんだそうです。

そうなると、栄養面ではどのような変化があるのかが気になりますよね。生のものと缶詰の処理をしたものとでは違いがあるのでしょうか。

みかんの缶詰に関しては、生のみかんの80%ほどのビタミンCが含まれているそうです。やはり生のものに比べると多少含有量が落ちてしまうようですね。

しかし、逆に考えれば缶詰のみかんは長期間にわたって80%のビタミンCを維持できると言うことになります。

生のみかんの鮮度は落ちやすいことを考えると、長期保存の場合は缶詰のみかんのビタミンCはかなり高いのではないでしょうか。

まとめ

みかんとビタミンCについて、いろいろなことがわかりましたね。

加熱する=ビタミンCがなくなるというイメージでしたが、むしろ皮ごと焼くことでさらに栄養をしっかり摂ることができるなんて驚きです。

普段は生のまま食べがちですが、焼きみかんを試してみてはいかがでしょうか。

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