ぶどう
日本語と中国語は少し似ています。たとえば文章の組み立て方ですが、英語は主語の後に動詞を置きます。

しかし日本語と中国語は主語の後に助詞や目的語を入れます。他にも漢字そのものが中国から伝わってきたものであることから、同じ漢字で全く同じ意味の熟語があったりします。

そこで今回は漢字におけるぶどうについて考察したいと思います。

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ぶどうは漢字で書くとどう書く?

教師の画像
ぶどうは漢字で書くと「葡萄」と書きます。あまり普段使わない字ですが、二つとも草冠が載っていて、植物を表す漢字かな、となんとなく思う方も多いかと思います。

個人的にはこの漢字は、草冠が蔓に、匍匋が垂れ下がりながら実っているぶどうの実に見えます。

由来は?


ぶどうという名前は、実は古代ペルシャ帝国に存在したフェルガーナ語が由来となっています。

ペルシャ帝国のフェルガーナと呼ばれる地方に「ブーダウ」と呼ばれていたぶどうの品種がありました。

この品種が、前漢時代ペルシャに旅をしていた政治家で外交官だった人物によって前漢に持ち込まれました。

前漢の人たちはその品種の深く甘い味わいを好み、国内でも栽培するようになりました。

それと同時にその品種はフェルガーナから遠く離れた前漢でも「ブーダウ」と呼ぶようになりました。

呉音では「葡」は「匍」と同じ[bu]と読み、「萄」は「匋」と同じ[daw]と読むことから、初めに当てられた漢字である「匍匋」に植物を意味する草冠を加え「葡萄」という漢字が当てられるようになりました。

葡萄と似た漢字、「匍匐」ってどう読むかわかりますか?

ぶどう
「匍匐」と書いて「ほふく」と読みます。葡萄の草冠がないだけでは?と思った方も居ると思いますが、実は右側の作りが違います。

「匍」は訓読みで[は(う)]と読み、意味は這うことです。「匐」は訓読みで[はらばう]と読み、意味は腹ばう、ということです。

つまり低い重心でお腹をつけて進む、という意味になります。

有名な四字熟語として「匍匐前進(ほふくぜんしん)」があります。ぶどうと漢字は似ていますが、意味は全然違います。

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ぶどうは中国語でも漢字と同じっていうのは本当?

ポイント
仏教の伝来とともに遣唐使によって日本に伝えられ、栽培が始まり現在に至ります。

中国の漢字も日本と同じく簡易化し、同じ漢字でも日本の漢字のほうが画数や複雑な作りになっていることが多いですが、今現在中国語でもぶどうは「葡萄」と書きます。

読み方は?

考える女性
中国語では葡萄を「Pútáo」と読みます。残念ながら日本と全く同じ読み方、というわけではありません。

しかしぶどうの名前の由来になったフェルガーナ語の「ブータウ」には、ぶどう、も「Pútáo」も似ています。

最後に

海で隔たれつつも日本は中国から様々な文化や信仰、食べ物などを伝えられてきました。

ぶどうがこんなに昔から食べられていたフルーツであることにも驚きましたが、ぶどうという呼び方、そして当てられた漢字のルーツが同じであることに衝撃を受けました。

ぶどう以外にも同じ漢字を当てている物事や、漢字は少し違えど同じ読み方をする物事もある為、調べてみると面白い発見があるかも知れません。

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