暑くなると、ふいにトロピカルフルーツ入りのゼリーを食べたくなることってありませんか?
ただ、そんなトロピカルフルーツの代表格である「パイナップル」でゼリーを作ってみたら、全然固まらなかった…という経験をしたことある方もいるかもしれません。
パイナップルなら、簡単に丸ごとの青果が手には入るので、作ってみたくなるお気持ちは分かります。
実は、生のままカットしただけのパイナップルを加えると、ゼリーが固まらなくなってしまうのです。その真相を詳しくご紹介するとともに、家庭でもパイナップルゼリーを作れるコツをお教えしますよ。
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目次
パイナップルのゼリーが作れないって本当?
先にお話しした通り、生のパイナップルを一般的に売られているゼラチンを用いて、ゼリーを作ろうと試みると、固まりません。
ゼラチンをつかうと固まらない原因とは?
パイナップルに含まれている酵素「プロテアーゼ」が問題なのです。
この酵素は、タンパク質を分解する性質があります。
ですので、主なる原料が、豚や牛といった動物のコラーゲン(皮膚や骨、腱等を結合させる組織の主成分)である動物性タンパク質のゼラチンは、この酵素に分解されてしまい、ゼリーが固まらなくなってしまうのです。
これが真相です。
ちなみに、このプロテアーゼという酵素は、パイナップル以外にもキウイフルーツや桃、いちじく、マンゴー、メロン、生姜等にも含まれています。
実は少し工夫をすればパイナップルゼリーは作れる?
先にパイナップルを茹でるといい?
まずは、酵素「プロテアーゼ」が熱に弱いという性質を用いた方法をご紹介します!
要は、パイナップルを熱処理すれば、酵素の効果がなくなり、ゼリーがしっかり固まってくれるというわけです。
ですから、風味が落ちない程度に、軽く熱湯で茹でたり、シロップ煮にしても良いですね。
もちろん、手軽な缶詰やビン詰めを利用しても。どちらも、加熱処理されているので、ゼリーが問題なく固まりますよ。
寒天やアガーなどを使えば固まる?
もう一つは、ゼリーを作るときに、動物性タンパク質を用いたゼラチンではなく、植物由来の食物繊維や糖質を用いた「寒天」や「アガー」を使用するということです。
タンパク質を用いていない寒天やアガーなら、パイナップルの酵素「プロテアーゼ」に反応せず、きちんとゼリーが固まってくれます。
ただし、寒天は、天草やオゴノリといった海藻の食物繊維と糖質を用いているため、仕上がりが固めになってしまいます。
更に懸念事項としては、よく知られている棒寒天や糸寒天は、煮溶かすというひと手間がかかるため、ゼラチンより面倒だと敬遠される方もいると思います。
今は、手軽に使える粉状のものもあるのです。それを利用してみても良いですね。
また、ズギノリ、ツノマタといった海藻の食物繊維とマメ科の種子から抽出した多糖類を用いたアガーは、ゼラチンよりはしっかりした食感になります。
まとめ
より一層、パイナップルを用いたゼリーが食べたくなってきましたよね。
要は、パイナップルを加熱処理したり、手軽な缶詰などを用いれば、ゼラチンでも簡単に作れるというわけです。
また、ゼラチンとはひと味違った寒天やアガーを用いてみるのも手ですよね。