大きくて皮の厚い文旦ですが、実を食べてしまった後に残る皮の存在感がどうにも気になりますよね。

こんなに量があるのに捨ててしまうのはもったいないと思ってしまいます。

この文旦の皮、なんとか有効活用する方法はあるんでしょうか?

皮に含まれる栄養などと一緒に、文旦の皮の活用法について調べてみました。

文旦の皮に含まれている栄養は?

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文旦の皮に含まれる栄養素は美肌や抗酸化作用によって脳卒中や心筋梗塞、動脈硬化の予防効果がある「ビタミンC」、

整腸作用によって便秘や下痢に効果的な「ペクチン」、風邪の予防に効果が期待できる「シネフィリン」、中性脂肪を分解して生活習慣病などの予防に良い「ナリンギン」、

発がん抑制効果が期待できる「リボノイド」、一時的なストレスの緩和に効果があるとされる「GABA」などが含まれています。

これらの栄養素は文旦の実にも含まれていますが、とりわけ実と皮の間に多く含まれているため皮を食べた方がより効率的に栄養を摂取することが出来そうです。

食べられるの?


とはいえ分厚くて少し苦そうな香りのする文旦の皮は食べられるのでしょうか?

実は皮は厚いですが、しっかりと処理をすれば食べられるようになるんです。

皮は適度な大きさに切って、数回茹でこぼすことであくや苦みを抜くことができます。

こうすることによって、分厚い文旦の皮も食べやすくなるんです。

文旦の皮を使ったオススメ利用法は?


皮を食べる、使う、などといっても実際にはどのように使うのが良いのでしょうか?

一例を取り上げてみましたので、ご紹介します。

ピールにする

文旦の皮をドライフルーツのように乾燥させて砂糖をまぶしたものです。

ちょっとしたおやつやお茶うけにもってこいのほろ苦さと甘さのバランスが絶妙なレシピです。

材料は文旦の皮一個分、グラニュー糖(皮の重さの1/2)、さらにまぶす用のグラニュー糖です。調理の手順は以下の通りです。

1. 皮を適当な大きさに切り、たっぷりの水で煮る(5~10分くらいで煮汁を入れ替えて煮るのを4~5回繰り返す)

2. 30分ほど煮ると皮が透明になってくるので煮汁を捨てて皮の重さを量る

3. 鍋にたっぷり水を入れ、そこに皮と皮の半量のグラニュー糖を入れて落し蓋をして弱火で1時間ほど煮詰める

4. 鉄板にクッキングシートを敷き、ピールを並べて100℃に予熱したオーブンで40~60分くらい加熱する

5. 皮の水分が飛んだら粗熱をとり、まぶす用のグラニュー糖を振りかける

6. 再度100度のオーブンで30分くらい加熱

7. 室温で1~2日程おいて風乾させ、好みの硬さで出来上がり

軟らかめのピールがお好みの方は風乾を短めに、逆に歯ごたえがしっかりしたピールがお好みの方は風乾をしっかりさせるとちょうどよい硬さのピールが出来上がります。ぜひ試してみてください。

お風呂に入れる

文旦の皮は乾燥させてお風呂に入れる、入浴剤としての使い方もあるんです。方法はとても簡単で、文旦の皮を細く切り、天日干しして乾燥させるだけ。

オレンジ色っぽく変色してくれば十分乾燥していますので、それをネットに入れて湯船に入れれば爽やかないい香りの文旦風呂の出来上がりです。

この文旦入浴剤を入れてお風呂に入っていると、肌がピリピリすることがあります。なんとなく心配になってしまいますが、ご安心ください。

肌がピリピリしてくるのは文旦の栄養素である「リモネン」が働いている証拠なんです。リモネンは界面活性剤の効果があり、入浴中の温まった肌からの吸収が促されます。

この時の肌の反応がピリピリした感じということになります。なので、文旦風呂でピリッとしていても体に害があるわけではありません。

ちなみに、リモネンがもつ効能はリラックス効果や免疫力、血行を促す効果、食欲増進効果など。リラックスやダイエットといった嬉しい効果が期待できます。

ただし、ピリピリが強く痛みを感じるくらいであれば無理をせずにお風呂から上がるか、文旦を取り出してしまいましょう。

その他にもこんな活用法が

他にも、ピールとは少し違った「ザボン漬け」というレシピもあります。

こちらは乾燥させる工程がないのでピールよりも柔らかく、中綿の部分も一緒に食べることができます。

材料は文旦(ザボン)と砂糖(砂糖の分量は文旦の重さと同じ分量)、レモン汁のみ。手順は以下の通りです。

1. 文旦の皮の黄色い部分(外側の部分)をピーラーで削り取り、食べやすい大きさに切って総量を量る

2. 文旦を鍋に入れ、ひたひたの水で30分くらい煮る

3. ざるにあけて流水で洗い、ボウルに文旦とひたひたの水を入れて一晩おいてあく抜きをする

4. 鍋に水と砂糖を入れる(水:砂糖は1:5)

5. 文旦の水気を絞って鍋に入れ、レモン汁少々を加えて汁気がなくなるまで煮る

6. 粗熱が取れたらグラニュー糖をまぶす

このまま柔らかいまま食べるもよし、少し天日干しして乾かすもよしというレシピです。

他にも文旦の皮を使ってジャム(コンポート)を作るという方法もあります

材料は文旦の皮、砂糖。皮の処理などで手間はかかりますが、その分美味しくて体に良いジャムが出来上がりそうです。

1. 文旦の皮を計量して食べやすい大きさにカットする

2. 保存袋に皮と水を入れて冷蔵庫で半日おく

3. ざるにあけて洗い、再び水と一緒に保存袋に入れて冷蔵庫で半日おく

4. 鍋に洗った皮と浸るくらいの水を入れて中火で加熱し、沸騰したらお湯を入れ替える、これを2回行う

5. 皮の重さの70%の砂糖と浸るくらいの水を加え、中火で煮詰めて水気が1/3くらいになったら出来上がり

まとめ

文旦の皮には様々な活用方法があるようですね。食べて体に取り込んでも、お風呂に入れて肌から効能を得ても、どちらにしても体に良いことがありそうです。

ただし、皮を食べるにあたって独特の苦みや皮の味が苦手な方もいますし、お風呂で肌に合わずに強い痛みを感じてしまう方もいるかもしれません。

そういった場合は無理に食べたりお風呂に入れたりする必要はありません。

香りをかいだりするだけでもリラックス効果などがありますので、自分に合った方法で文旦の皮を活用してみてください。

せっかく質量のある分厚い皮ですから、そのまま捨ててしまうのはもったいないですよね。

ぜひいろんな活用方法で皮まで楽しんでみてください。

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