夏に旬を迎える「プラム」。
ほんの一瞬しか出回らないからと、旅先や店頭で見かけて、衝動的に買ったものの、
リンゴやみかんのように食べ慣れていないせいが、いざ食べようと思ったら、つい種まで飲み込んでしまい焦っているあなた。
桃の種には毒があるなんて情報を思い出して、焦りが倍増しているかもしれません。
そこで、プラムの種に毒があるのか詳しくお話しするとともに、うっかり食べてしまった時の対処法をご紹介したいと思います。
目次
プラムの種って食べられるの?毒があるの?
プラムは、バラ科サクラ属の果物で、仲間には桃やアンズ、梅、ビワなどがあります。
これらの植物の種には「アミグダリン」という成分が含まれており、これが厄介なのです。加熱されておらず、かつ未熟な果実により多く含まれています。
このアミグダリンは、体内でエムルシンという酵素と腸内細菌のβ‐グルコシターゼという酵素により加水分解されると、シアン化合物を発生させてしまいます。
そのシアン化合物には、毒性の強い青酸が含まれているため、危険といわれている所以なのです。
ただし、これは多量摂取した場合の話です。仮に中毒症状を起こしてしまった場合、軽症ならめまいや嘔吐、発汗程度ですが、重症になると神経障害、歩行困難、発熱、意識の混濁、果てには昏睡状態に陥ったり、呼吸困難を起こし、死に至る可能性さえあります。
ただ多量といわれる基準は、一度に種を100個ほど食べた場合の話です。1~2個程度食べてしまっても、まず問題はありません。ご安心を。
また、完全に熟した果実なら、アミグダリンはエムルシンにより分解されて糖に変化してしまうため、無害になります。
プラムの種をうっかり飲み込んでしまった!どうすればいいの?
先にお話しした通り、毒の問題はまず気にしなくて良いことがお分かりいただけたかと思います。
ただ、そのままお腹の中に置いておいても大丈夫なのか気になりますよね。
もちろん、芽が出ることはありませんよ!まあ~消化される場合もありますが、それなりの大きさの固い種なので、数日後にそのまま排便される可能性が一番高いですね。
大人の場合には、そのままにしておいて問題ありません。
ただ、子供の場合は注意が必要です!まずは、喉に引っ掛かっていないか確認します。また、まだ体が小さく、内臓が未成熟なので、毒性が強く出る可能性があります。
プラムの種って土に植えればそのまま育つの?実ができるまでどれぐらいかかる?
プラムを生食した後の種が、本当に育つのか気になるところですよね。
もちろん、きちんと手順を踏めば、種ですから育ちますよ!
では、手順をご紹介します。
① プラムの種に残った果肉を取るために、ブラシ等を使って流水で洗い流します。
② ①の種を乾かさず、湿っている状態のままで、砂や赤玉土に植えます。(または、ビニール袋に砂や赤玉土を入れ、①の種を埋め込み、封をします。それを2ヶ月ほど冷蔵庫(5~6℃)で保管してから、植えても良いですよ)
③ 発芽するには冬の寒さが必要なので、②の状態で越冬させます。
すると、春には芽を出してくれます。
ただし、栽培されてるプラムは、プロが手を加え、美味しい実に成育できるよう環境を整えて、育てられています。素人が育てても、先祖がえりして、美味しい実をつけることは難しいのが現状です。
また芽が出ても、実がなるまでは最低5~6年、ものにより10年ほどかかります。
まとめ
以上より、プラムの種には、毒性の成分が含まれていることが、お分かりになりましたよね。
ただそれは、未熟の実でかつ多量に摂取した場合に限るため、そんなに恐れる必要はありません。